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アトピー性皮膚炎の管理の考え方

アトピーの発症には下図のような要因が重なっています。それぞれを3つのコンセプトに分けて考えます。どれかだけを行えばよいのではなく、それぞれ組み合わせて最大の効果を狙います。

アトピー発症

1.アレルゲンをなくす

どんなに皮膚が弱くても、どんなに強いアレルギー体質を持っていても、アレルゲンをなくすことができれば、アトピー性皮膚炎は発症しません。犬での主なアレルゲンは次のようなものがあります。

  • ハウスダストマイト(家のチリに含まれる人のフケなどを食べるダニ)
  • 草の花粉
  • 樹木の花粉
  • カビ類
  • 猫など、他の動物のフケ
  • 昆虫の死骸

これらのものを完全になくすことができるでしょうか。現実的には無理だと思います。もちろん空気清浄機などで数を減らすことはできるかもしれませんが、アトピー性皮膚炎を管理するまでにするには、人間のICU並みの設備でないと無理でしょう。

ただし、こまめにシャンプーをするなどして、体表のアレルゲンの数を減らすことは、効果的な場合があります。


2.皮膚バリア機能の回復

皮膚のバリア機能(防御力)が弱くなると、皮膚表面からアレルゲンが入り込みやすくなります。体内に入ったアレルゲンが、アレルギー反応を起こし、アトピー性皮膚炎を発症します。よって、バリア機能を回復させれば、アレルゲンの侵入を防ぎ、症状を抑えることができます。

アトピー犬は、皮膚の保水成分である「セラミド」が少ないというデータがあります。皮膚が乾燥しやすくなり、バリア機能が低下してしまうのです。よって、セラミドが含まれているシャンプーやコンディショナーを使ったり、保湿作用の強いシャンプーを用いることで、皮膚バリア機能を助けることができます。

ただ、人と違って犬は毛が多く、毎日シャンプーするのは大変な労力が必要ですので、現実的に難しい場合が多いです。


3.アレルギー体質の管理

これがいわゆる薬による治療となります。単に痒みや炎症を抑えるだけの対症療法と、体内の免疫機構を整える根本的治療法があります。それぞれを組み合わせて使用することも多いです。

ただし、アレルギー体質は遺伝的な体質といわれており、そのような体質を完全に正常にするのは無理です。ここにアトピー性皮膚炎の治療の難しさがあります。