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アトピー性皮膚炎を治療する前に必要なチェック

アトピー性皮膚炎と診断し治療をする前に、以下のような病気を完全に否定することが必要です。なぜなら、以下の病気は基本的に治る病気であり、アトピー性皮膚炎は治らない病気です。治らない病気を考えるよりは、治る病気があるのであればさっさと治してしまった方が良いということです。また、以下の病気はアトピー性皮膚炎の治療を行うことにより、悪化することもあるからです。


1.表在性膿皮症

この病気は、毛穴(毛包)の中に細菌が入り込み、炎症を起こす皮膚炎です。痒みがあります。赤い小さなプツプツや、環状の赤みなどが見られます。

原因菌はどこにでも存在する菌で、特別悪い菌ではないのですが、皮膚の免疫力が低下すると、悪さを始めます。ですので、アトピー性皮膚炎の犬は皮膚の防御力が落ちていますので、繰り返し発生することも少なくありません。他の犬に伝染したりすることはないので、安心してください。

治療は3週間以上かかります。良くなったからと言って、短期間で治療を終了すると、再発したり薬剤耐性菌という厄介な菌を生み出す原因となりますので、獣医師の指示にはしっかり従ってください。


2.マラセチア皮膚炎

マラセチアというのは、酵母菌の一種で、これも正常な犬にも存在する微生物なのですが、皮膚が弱ったり、皮膚の脂(皮脂)が過剰になると、増殖し赤み、痒みなどの皮膚炎を起こします。外耳炎の悪化要因になることも多い微生物です。

治療は、内服やシャンプーを用います。治療は通常1~2週間程度です


3.疥癬(センコウヒゼンダニ)

疥癬

眼では見えない小さなダニが皮膚の中にトンネルを作って入り込み、それに刺されると強い痒みを出します。犬同士の接触だけでなく、落下したダニも感染の原因となるといわれています。

この病気の厄介なところは、アトピー性皮膚炎と症状が似ていること、皮膚の検査で検出できないことが多いということです。ですので、試しに駆虫薬を投与して改善するかどうかを観察する「診断的治療」という方法を用います。約4週間で治癒します


4.毛包虫(ニキビダニ・アカラス)

毛包虫

この寄生虫は、正常な犬にも存在するといわれており、何らかの原因で皮膚の免疫力が低下した時に、過剰に増殖し、炎症を引き起こします。眼で見えることはなく、顕微鏡検査で検出します。普通、このダニが痒みを引き起こすことは少ないのですが、炎症部位に細菌が入り込むと、痒みが見られます。

駆虫薬を投与しますが、長期間の治療が必要で、最低3ヶ月はかかると思ってください。再発を繰り返す場合は、免疫力が低下する原因を突き止め、その病気を治療しないとなりません。


5.ノミ

ノミ

ノミによる皮膚炎です。ノミに対してアレルギー体質を持っていると、少し刺されただけで、強い皮膚症状が起こります。ノミの駆除をすれば短期間で治ります。


6.食事アレルギー

食事アレルギーは判定するのに約2ヶ月はかかります。またアトピー性皮膚炎と食事アレルギーが両方かかわっていることも多いです。

詳しくは次の「アレルギーの原因はフード? 」をご覧ください。