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狂犬病予防はいらない?

狂犬病予防に対する大きな誤解

最近、「日本では狂犬病の発生がないため、狂犬病予防は不要」という意見を一部の愛犬家から聞いたり、インターネットサイトで見たりすることがあり、飼主様から質問されることがあります。これは大きな誤解です。

狂犬病予防注射の目的は、「犬の中での蔓延防止」と、それに伴う「人への感染防止」が目的です。狂犬病が侵入した際に被害を拡大しないために、最も感染し蔓延しやすいワンちゃんたちに予防をしてもらっているのです。決して犬を飼っている人たちだけの問題ではありません。


検疫をすり抜ける、狂犬病侵入の危険性

港

確かに、1956年を最後に、日本では狂犬病は発生していませんが、周りの国はそうではありません。そのために、日本では犬を入国する際の検疫を行っていますが、現在、狂犬病の侵入が恐れられているのは、北海道などの、外国船の入港地です。

これらの船の乗組員は、航海の安全を願って犬を船に乗せて来ます。 そして日本に到着すると、上陸してそのまま野犬化してしまう犬もいるそうです。 現在、検疫の強化や、犬を放さないよう看板を立てるなどの対策を実施していますが、完全な対策は難しいようです。

また2004年には、マイクロチップを義務化しているフランスで、密輸された犬が狂犬病で死亡し、パニックとなりました。また2013年には日本と同じ島国で、1961年以降狂犬病の発生がなかった台湾で狂犬病が発生し、こちらもパニックとなり犬が大量に捨てられる事例等が多数発生しています。仮に日本で発生した場合には、狂牛病や鳥インフルエンザの時とは比べ物にならないくらいのパニックになることは、容易に予想できます。何せ発症したら、死亡率100%ですから。


蔓延防止のためには

仮に日本に狂犬病が入った場合、蔓延を阻止するためには、飼犬の60~70%以上が予防してあることが、必要となるそうです。 現在日本の接種率は50%を切りました。 つまり、蔓延は阻止できない状況であると言えます。

幸い、当院のある長野県は全国的にみても予防接種状況は良好で、飼主の皆様のご協力と行政の方の努力のおかげと言えます。


犬が安心して人間社会に溶け込むために

犬

最近よくネットでは、ノーリードや公園・山での犬禁止などについて、議論されています。 私は、動物が社会に溶け込むには、飼育していない人達が不安・不快にならない社会を、飼育している人達が作り上げていくことが必要であると、常々思っています。(飼っていない人達のほうが多いのですから。) もし、狂犬病が発生しパニックになったら、きちんと予防している犬でも、公園どころか道も歩けなくなるのではないかと思っています。

狂犬病予防は、犬を飼っている側からの、飼っていない側に対する最低限の義務であり責任です。 犬も人も安心して暮らせる社会が維持できるように、必ず予防注射をしてください。


本郷どうぶつ病院

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