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もしも狂犬病が発生したら

もしも長野市で狂犬病が発生したら・・・

狂犬病予防法第3章に「狂犬病発生時の措置」が書かれています。これをもとに、実際どういうことになるかを予想してみましょう。一頭でも発生したら、こうなる可能性があります。

狂犬病発生!

長野県知事に報告
知事は厚生労働大臣に報告、隣接県の知事に通報
(狂犬病予防法第3章第8条「届出義務」)

狂犬病の犬を隔離しなければならない。
咬もうとしたりしている場合は、人命に危険があるので、殺処分。
(狂犬病予防法第3章第9条「隔離義務」)

周辺地域の全ての犬に口輪の装着とつなぐこと(けい留)が命じられる。
(狂犬病予防法第3章第10条「公示及びけい留命令等」)

全頭の一斉検診と臨時予防注射を行う。
(狂犬病予防法第3章第13条「検診及び予防注射」)

放れている犬は捕まえられる(抑留)。
捕まえようとした狂犬病予防員の不当に立ち入りを拒むと、拘留又は科料に処される。
(狂犬病予防法第3章第18条の1「けい留されていない犬の抑留」)

捕まえられない犬は薬殺。
(狂犬病予防法第3章第18条の2「けい留されていない犬の薬殺」)

生きている犬も、犬の死体もその地域への出入りが禁止される。
(狂犬病予防法第3章第15条「移動の制限」)

道路封鎖、交通遮断が行われる(ただし72時間以内)。
(狂犬病予防法第3章第16条「交通のしゃ断又は制限」)

ドッグラン、ペットショップ、トリミングサロン、ホテル等の使用禁止
(狂犬病予防法第3章第17条「集合施設の禁止」)

これらに従わないと、20万円以下の罰金です。
罰金ですので、刑事罰で、前科がつきます。


狂犬病が発生すると、自分や家族に人用の狂犬病予防接種を受けたいという人が多くなると思います。ただし常備している医療機関は限られているので、すぐに受けることができるかどうかは不明です。それに国内で使用できるワクチンは、接種したらすぐに効果の現れるものでもありません。

また、狂犬病の疑いのある犬に咬まれた場合、発症を予防するために、抗狂犬病免疫グロブリンを投与することが WHO(世界保健機関)で推奨されていますが、国内では入手不可能です。 よって咬まれた場合、医療処置によって発症を防止することは、事実上不可能です。発症したら必ず死にます。

ですから、我々獣医師は狂犬病予防をきちんと伝えていかなければいけません。有事に我々獣医師は狂犬病の危険を承知で最前線に立たなければなりませんが、無責任に「狂犬病予防は無駄だ」と言っている人達は、何もしませんし、何の責任も取ってくれません。狂犬病の侵入防止は行政の責任(検疫)ですが、蔓延防止は犬の飼主の責任です。

狂犬病ももちろん恐ろしいですが、一番怖いのはパニックです。発生地域の犬の殺処分が許可されているのは予防員だけです。 でも、パニック状態になったら、、、。

現在の日本では狂犬病がない、これはとても幸せなことなのです。この状態を維持するためにも、必ず予防してください。

本郷どうぶつ病院

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