本郷どうぶつ病院

犬アトピー性皮膚炎Canine Atopic Dermatitis

1. 犬アトピー性皮膚炎の知識

2. 犬アトピー性皮膚炎の管理・治療

3. 犬アトピー性皮膚炎のよくある質問

2. 犬アトピー性皮膚炎の管理・治療

抗体医薬(ロキベトマブ) -ピンポイントで治療する新世代の薬-

ロキベトマブの特徴

・有効率 :約60-80%
・効果発現:はやい
・副作用 :少ない
・費用  :高価

抗体医薬(ロキベトマブ)とは

抗体医薬のロキベトマブは、2019年に犬で認可された薬です。ロキベトマブはアトピー性皮膚炎のかゆみに関係する体内物質サイトカインの一つIL-31をピンポイントで抑えます。この作用が「抗体」という物質によるものなので「抗体医薬」と呼ばれます。ヒトでは「デュピルマブ」という別の抗体医薬が2018年に認可されています。

ロキベトマブの良い点

効果が出るのがはやいです。1日ぐらいで効果が期待できます

また、薬の作用がピンポイントなので副作用が少ないです。

さらに投与が1ヶ月に1回の注射なので、投薬や通院の手間が少なくなります。

ロキベトマブの欠点

このお薬は、アトピー体質を根本的に治すお薬ではありません。かゆみにブレーキをかけるお薬だと思ってください。つまり、お薬をやめればかゆみは再発します。維持するためには、継続して使用する必要があります。

すべての犬に効くわけではありません。また、このお薬はアトピー性皮膚炎専用のお薬です。他のかゆい皮膚病では効果がありません。動物病院でしっかり診断してもらいましょう。

新しい治療法ですので、長期的な管理方法が確立されていません。また、長期的な副作用など、まだわかっていないこともあります。当院では症状に応じて飼主様と相談しながら維持療法を検討しています。

ロキベトマブの使い方

ステロイドが使用しづらい場合や、減らせない場合などは積極的に使用します

このお薬はあくまで「アトピー性皮膚炎」の治療薬ですので、他の皮膚病には原則使用しません。したがってより正確な診断が要求されます。

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