本郷どうぶつ病院

犬アトピー性皮膚炎Canine Atopic Dermatitis

1. 犬アトピー性皮膚炎の知識

2. 犬アトピー性皮膚炎の管理・治療

3. 犬アトピー性皮膚炎のよくある質問

2. 犬アトピー性皮膚炎の管理・治療

抗ヒスタミン薬 -効けば儲けもの-

抗ヒスタミン薬の特徴

・有効率 :約30%
・効果発現:中程度
・副作用 :ほとんどない
・費用  :比較的安価

抗ヒスタミン薬とは

抗ヒスタミン薬とは、アレルギーの症状を出す代表的な物質であるヒスタミンが、体内で作用しないようにブロックするお薬です。人でもアレルギーや乗り物酔いの薬などで使用されています。この薬も治すものではなく、症状を抑えるお薬です。
人では、従来使われてきた抗ヒスタミン薬は第一世代、副作用の一つである眠気が起きにくくしたものを第二世代とに分けています。

抗ヒスタミン薬の良い点

犬では抗ヒスタミン薬の副作用がほとんどありません。第一世代の抗ヒスタミン薬は、人では「眠くなる」という副作用がありますが、犬ではたまに見られる程度です。また他の薬剤に比較して比較的安価です。

抗ヒスタミン薬の欠点

最大の欠点は、有効率が低いということです。文献によりますが約30%の犬にしか効果がないというデータもあります。ただし使うタイミングなどを適切にすれば、もっと有効率が上がると考えられています。
また注意したいのは、人用の抗ヒスタミン薬の一部はアメリカでは死亡例が出ています。当院で処方するのは、犬の投与実績がある薬剤を選択していますのでご安心ください。安易に花粉症などで処方された人用の薬を動物に与えないようにしてください。

抗ヒスタミン薬の使い方

抗ヒスタミン薬は痒みや炎症が重度の場合はあまり効果が期待できず、発症する前の段階で投与する「先制攻撃」が有効的な使用法です。ほとんど副作用がなく、薬価も高くないので、これが効いてくれれば儲けものです。一定期間投与し、効果がなければ他の治療に切り替えます。
ただし単独で効果がなくても、複数の薬剤や、ステロイドと組み合わせることにより、お互いの欠点を補って使用できることがあります。

3. 犬アトピー性皮膚炎の管理・治療:減感作療法へ