本郷どうぶつ病院

犬アトピー性皮膚炎Canine Atopic Dermatitis

1. 犬アトピー性皮膚炎の知識

2. 犬アトピー性皮膚炎の管理・治療

3. 犬アトピー性皮膚炎のよくある質問

2. 犬アトピー性皮膚炎の管理・治療

スキンケア

スキンケアの重要性

アトピー性皮膚炎の治療というと薬を中心としたことだけが話題になりがちですが、皮膚そのものを強くすることも重要です。近年皮膚の研究が進み、スキンケアの重要性が見直されています。アトピーのスキンケアのコンセプトは主に以下の二つが考えられます。

シャンプー

アトピー性皮膚炎のシャンプーは、刺激が少ないことと、保湿を重視したものを選ぶ必要があります。詳しくは獣医師にご相談ください。

またアトピー性皮膚炎では、二次的な感染性皮膚炎を起こすことがあります。この場合は殺菌性シャンプーを使用し、その後にアトピー性皮膚炎用のシャンプーを用いるなどの工夫が必要です。

近年は、皮膚の上にいる細菌のバランス(マイクロバイオーム)がアトピー性皮膚炎の病態に関与しているというデータがあります。マイクロバイオームを整える機能を持ったシャンプーも動物病院では取り扱っています。

ただしシャンプーはあくまで「洗剤」であるため、洗いっぱなしでは少なからず皮膚のダメージがあります。シャンプーの後の「保湿」は必須です。

保湿

スキンケアの中でも特に保湿は重要で、東京農工大の岩崎教授らの研究によると、アトピー性皮膚炎の犬では皮膚の保湿因子の一つであるセラミドが減少しているとされています。セラミドとは皮膚の中にある脂質で、皮膚の中に水分を保っておく重要な役割があります。これが不足すると、皮膚が乾燥し、外からの微生物や微細物質に対する防御力が低下し、様々な皮膚障害を起こします。アトピー性皮膚炎では、皮膚の乾燥により、皮膚の中にアレルギーの原因物質(アレルゲン)が侵入することが症状を出す原因となります。

また皮膚が乾燥するだけで、かゆみが出てくることは、我々人間でも経験したことがあると思います。保湿によりかゆみをいくらか軽減することもできるでしょう。

アトピー性皮膚炎の皮膚は常に荒れています。シャンプーは毎日する必要はありませんが、保湿は毎日すべきです。近年は高機能の犬用保湿剤も販売されていますので、当院では積極的に使用しています。